話す間柄にまだない
話す間柄にまだない

「ユニークな妹だな」  食べ終わってから悦嗣は、離れのレッスン室にさく也を案内した。言葉の洪水の中に浸かるのにも、さすがに限界が見えてきていたので。 「一日一緒にいたら、耳鳴りがするぞ」  エアコ...

すべてわたしの記憶
すべてわたしの記憶

「わたしの記憶力はさらによくなった。もっと複雑なこともわかるようになった。 話し声、話し声、話し声。それらが通過してゆく。に残る。い たるところから話し声、話し声……」 ...